三次元彼氏。


早瀬はもう食べ終わっていた。僕も最後の1口のコロッケを口に入れた。



「私は東野(あずまの)高校です」

「聞いたことねーな」

早瀬が笑う。


東野高校って……うちの高校と近かった気がするけど………違うとこかな。

今度機会があったら訊いてみよう。





それからは、早瀬と天音さんが衝撃的な再会を果たした話を聞いてみんなで笑った。






「げー、もうこんな時間じゃん。昼休みみじか」

「次の講義何だっけ」

天音さんがコップに残っていた水を飲み干して訊いた。


「日本文学史じゃなかった?」

「あー、ガイダンス早く終わんねーかな」

「早瀬はどうせ寝るんでしょ」


何だよ失礼な、と笑いながら、早瀬と天音さんが仲良さげに食器を戻しに行った。


その後ろ姿が何だか微笑ましくて、僕の頬は勝手に緩んでいた。






その後しっかり4講目まで講義を受けた。

となりの早瀬は、最後まで気持ちよさそうに寝息を立てていた。





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