三次元彼氏。



次の日からは昼休みだけでなく、講義中もこの4人で過ごすことが多くなった。



高校の友人はほとんど地元の大学に進学したり就職したりしたので、知っている人が1人もいない大学で、また新しく友人を作って学校生活を送れるのか不安だった。

だからこの大学での生活にそこまで期待はしていなかったし、しっかり勉強できればそれでいいと思っていた。



けれど、早瀬が声を掛けてくれたおかげで、今少し学校に行くのが楽しみになっている。




そんなある日の放課後。



「みんなでこれからどっか行かねー?」


4講目が終わりテキスト類をリュックにしまっていたら、今日もぺたんこな鞄を持った早瀬が目を輝かせて言った。


「あっ、いいね、どこ行く?」

「んーそうだなー……、宗は行きたいとことかある?」

「えっ、……えーー…と、」



僕の地元では、学生が遊びに行く場所といえば近くのショッピングモールくらいで、そこのフードコートで喋ったりたまに勉強したりして過ごすことがほとんどだった。


この大学の周りは飲食店やコンビニばかりだけど、駅に近いためそこに行けば何でもあるとどこかで聞いた。



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