三次元彼氏。
あいにく僕のアパートは大学に近いところにあるので、まだコンビニくらいしか行ったことがない。だから行きたいところと言われても、あまりパッと思い浮かばない……。
「…ごめん、僕ここらへんに何があるのかよく解ってなくて…」
「あーそっか、実家遠いんだっけ」
「ほのかも遠くから来てるんだよね」
「あ、うん。私も、あんまりこのへん解んない」
そっかー、と早瀬が頭を掻いた。
「私達もここらへんそこまで詳しいわけじゃないけど…。…あっ、じゃあ無難にカラオケとかでいいんじゃない?」
「あっ、カラオケいいじゃん! 2人、カラオケでもいい?」
「あ、うん、いいよ」
「私も」
「っしゃー行くぞー!」
やたらハイテンションな早瀬を先頭に、僕達4人は駅前のカラオケ店へ向かった。
「………」
「………」
「ごめんね2人とも、早瀬カラオケ行くといっつもああなの」
「あ…いや、全然」
友人とカラオケなんて今まで一度も行ったことがなかったので、少し楽しみにしていた。
部屋に入ってソファに座るなり早瀬はデンモクを手に取り、曲を一気に入れ始めた。