三次元彼氏。



「あの……東野高校って、僕が通ってた海東高校の近くにあった気がしたんだけど、気のせいかなと、思って…」

「えっ、あの、私もそれ、今訊こうと思ってたんです」


また驚いた。彼女は僕の高校がどこかなんてさっぱり忘れていると思っていたから、まさか僕と同じことを考えていたなんて。



「この前学食行った時に高校の名前を聞いて以来ずっと気になってて…けど違ったらどうしようって訊けなくて」


まさか、僕と同じように考えていたなんて。



「…あの、近くに大きなショッピングモールあって、僕らの学校の生徒は遊ぶのは大抵そこで」

「そうですそうです! 私も友達とそこに服買いに行ったりしてました、あとフードコートでクレープ食べたりとか」

「え、じゃあやっぱり、僕達地元一緒ってことですか?」

「ぽいですね、びっくりしました!」



まさか、こんなに近くに地元の人が居たなんて。

こんな偶然あるのか。



「っじゃーん! これなーんだ!」

「っ!」

「うっさいわ」


話が弾んでいたところに、早瀬と天音さんが戻ってきた。


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