三次元彼氏。
得意げな顔で、手にしたコップの中身を見せてくる早瀬。ぱっと見た感じでは、ただの烏龍茶っぽいけど………。
「大人っぽい滝本くんが子どもっぽい早瀬のやることなんか想像つくわけないでしょ」
「失礼な」
「……」
な、何だろう。
「せーかいはっ! ドリンクバーのお茶全部混ぜたやつでしたー!」
「!」
「ホント馬鹿らしいわ大学生にもなって小学生かよ」
「小学生に失礼だろ」
ドリンクバーのお茶全部混ぜたやつ、って…………
「だってアレだろ、お茶って元々は全部同じ葉っぱなんだろ? じゃあ混ぜても美味しいじゃんって思ったわけ」
「……」
となりの彼女は呆然と早瀬を見上げている。
「アイスティー、烏龍茶、緑茶を混ぜた早瀬ブレンドです」
「馬鹿じゃないの本当に」
完全に呆れ顔の天音さんは、座ってカルピスを飲んだ。
「ほら、ほのかも滝本くんも引いてるよ」
「そっ、宗くん! 俺ら友達だよね!」
「え? うん…」
「無理やり言わせるのやめなよ」