三次元彼氏。




「…いや、やっぱり…こんな軽い気持ちで……付き合うなんて、よくないんじゃ…」

「じゃあ私は家入りますね」

「え!?」


そう言って彼女はポケットからキーケースを取り出す。


「じゃあ、これからよろしくお願いします、滝本くん」

「ええ!?」


三上さんはいつもの可愛らしい笑顔を見せると、手を振った。


「また明日!」


そう言って、帰ってしまった。





「…ど、どうしよう……!」


混乱する頭で、とりあえず誰かに相談したいと、早瀬に電話を掛ける。



「もっ、もしもし早瀬、どうしよう僕、三上さんに間違って告白しちゃった」

『告白って間違えてするもんなの?』


「………へ?」


聞こえるのは、明らかに早瀬の声ではない、女性の声。



『後、私早瀬じゃない、天音』

「え」


電話掛けるの間違えた………!!!


『普段しっかりしてそうなのに、相当焦ってるんだね、電話掛ける相手間違えるとか』

「…ご、ごめん…すごい慌ててて…」


は、恥ずかしすぎる……………



< 39 / 144 >

この作品をシェア

pagetop