三次元彼氏。





今日最後の4講目のガイダンスが終わり、となりの早瀬は瀕死状態。


「あーもう寝る、帰れない、寝る、おやすみ」

「ええ、寝るの? 今からここで?」

「……」


……嘘、もう寝た?



「早瀬」


呼びかけるが返事はない。嘘だろ………。





「はあーやあーせえー!!」

「っ、!」


突如後ろから早瀬を呼ぶ大きな声がして、思わずビクリと肩が上がった。

その声の主はすぐにやって来て、僕の横で力尽きた彼の頭をバコーンと思い切り叩いた。



「ってえ!!!」

「何寝てんの! 今日は駅前のスタバ行く約束でしょ!」



え、ええ……

突然に次々起こった出来事に頭がついていかない。



「…ガッキー今のは絶対痛いよ」

「だってLINEしても全然連絡来ないんだもん」


早瀬を引っ叩いた女子を追うように、もう1人の女子が近寄ってきた。




< 5 / 144 >

この作品をシェア

pagetop