三次元彼氏。


翌日の4講目終了後。


「そ、宗ちゃん。今日この後は忙しいですか?」

「え……いや、特には、何もないですよ」

「よかった! 昨日家で見つけて、宗ちゃんに見て欲しいものがあるんです」

「!」


……これは、彼女の家に、行くって流れ………だよな…?


………っダメだ、昨日の早瀬のせいで、変に意識しすぎてしまう。



「じゃー俺らは帰るか。あ、そういえばスタバ新作出たんだろ、これから行くか?」

「え、よく知ってるね、行きたい」

「じゃーな2人とも、また明日ー」

「あ、うん、また明日」

「ガッキーまた明日ねー」

「ねえほのかちゃんいつになったら俺にも挨拶してくれるの?」


ぎゃんぎゃん言いながらも、早瀬は僕を見てグッと親指を立ててきた。



「…じゃあ、帰りましょ」

「……」

「…宗ちゃん?」

「えっ、あっ、ごめ、か、帰ろうか」


だめだこのままじゃ会話すらまともにできない。一旦ここは昨日のこと忘れないと………





「どうぞ」

「…お、おじゃま、します……」


………は、入ってしまった、どうしよう………


昨日のことを頭から追い出してここまで来たのに、玄関ドアを見てしまったら一気に頭の中に早瀬の言葉が戻ってきた。



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