三次元彼氏。
6 ルーズリーフの落書き
「やべえ俺もう無理だ留年する」
「つべこべ言わずシャーペン持て」
「宗くんタスケテ天音が鬼」
「…」
大学生活はあっという間に時間が過ぎる。ついこの間入学したと思ったのに、気づけば前期の期末試験のシーズンになり、そんなことを思った。
試験範囲が知らされた試験の2週間前、いつもの4人で試験勉強をしようという話になり、僕達は図書館に来ていた。
試験科目も範囲もそこそこ多い。それぞれがテキストやプリントを広げながら勉強を進めていたら、開始30分で早瀬はプリントの束に顔を埋めダウンした。
「あげさん留年したら来年から私達と離ればなれですよ」
「ねえほのかちゃん、その“あげさん”て何なの? そろそろ教えてよ」
「から揚げからそうなりました」
「から揚げ? 何で?」
「何でもいいでしょ、勉強しなさい」
「天音の鬼」
そんな会話を横で聞きながら、僕は黙々と勉強を続けていた。
部活やサークルには入っていないしアルバイトもしていないので、自由な時間はそれなりにたくさんあった。やる気のある時には講義の復習をしていたので、楽に試験勉強を進められそうだ。
「宗ちゃん、ちょっといい?」