三次元彼氏。
それから毎日早瀬に勉強を教え、試験を1週間後に控えた日の4講目終了後。
いつものように4人で図書館に移動して座ったところで、天音さんが「朗報!」と、鞄から何やら紙を取り出した。
「学科の子から過去問ゲットした」
「よくやった天音!」
そしてそれをテーブルに広げる。
「ガッキーこれどうしたの?」
「学科の子の部活の先輩が過去問のコピーくれたらしいのをさらにコピーしてもらったの。まあこれと全く同じ問題は出ないだろうけど、傾向とか出題形式の参考にはなるだろうって」
「天音マジ神」
「早瀬だったら、どうせこれに頼って丸暗記するとか言い出しかねないから、早瀬にだけ黙っとこうかと思ったんだけど」
「ひでえ、俺ちゃんと勉強してるよ」
「滝本くんがいなかったらしてなかったでしょ」
「仰る通りです……」
……すごいな、そんなことできるんだ。確かに、少しは試験内容の傾向の把握ができるだろうし、出題形式も参考にできるから、結構ありがたいかも。
「…よし、早瀬。今日からはこの過去問も活用しながら勉強進めよう」
「お願いします宗様」
そうしてこの日も、おなかが空くまでみんなで勉強をした。