……秘密があります
「どうした、帯刀。
 なんだか楽しそうだな、羽未ちゃんか。

 そうか、羽未ちゃんをデートにでも誘おうと思ってるんだろう」

 ……何故わかる。

「大丈夫か、お前。
 正気のときに迫れるのか?

 かと言って、酒呑んだら、また記憶をなくすだろうしな」

 いや、あれは記憶をなくしていたわけじゃなくて、羽未の徹底した証拠隠滅により、夢かと思っただけだ。

 あいつは犯罪者の素質がある、と帯刀は思っていた。

「どうしたらいいか迷ったら、やはり、定番のことをやってみるといいぞ。
 壁ドンとか(あご)クイとか」
と芳賀はアドバイスをしてくれる。

 ……カベドン、はなんとなくわかる気がする。

 アゴクイ、はなんだろうな。

 アリクイなら知っているんだが。
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