……秘密があります
「土産にって大量にもらったんだ。
 甘いんだか酸っぱいんだか、どうしたいんだかよくわからん」

 何故、それを私にくれますか……と思っていると、
「食べてみて気に入ったら言え。
 お前ら昼休みいつも菓子食ってるじゃないか。

 みんなで食べたらすぐなくなるだろ」
と言う。

 なくならせたいのか……。

「あまずっぱい初恋の味だとか言って、女子どもに渡せ」
と言ったあとで、士郎は少し思い出に浸るような顔をして言ってきた。

「そういえば、ずっと側に居たのに、お前は俺の初恋じゃない」

 その宣言、なんの意味が……と思っていると、

「初恋ではない。
 だが、何故かいつもお前は俺の側に居て」

 単に家が隣だからじゃないですかね?

 そう思ったのが通じたようで、
「まあ聞け」
と士郎は言ってくる。
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