……秘密があります
「そうなんですよ。
 そう言われました。

 ちなみに私はこんにゃくの係でした」

「なんだそれは」

「こんにゃく持って後ろから客の首筋をぺたぺたやる係です」

「……飲んでるときとか、迷惑だろうそれ」

「いやあ、お化け屋敷かカフェかで、クラスで意見が分かれちゃって。
 じゃあ両方の良いところをとろうって話になったんですけど」

「いや、悪いところを取ってないか……?」

 写真は進み、羽未は大学生になり、ロールケーキに釣られて死にかけた旅行になり。

 入社してすぐのオリエンテーションのものになって、今の同期のみんなと写っていた。

 知っている顔ばかりになって、ホッとしたような顔の帯刀が笑って言う。

「お前は歳をとっても可愛いだろうな。
 お前の可愛らしさは顔立ちじゃないから」

 ……それはいいことなのでしょうか。

「でも、どのみち、お前が歳をとっても俺にはわからないかもしれないな」

「えっ?」
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