……秘密があります
 この間、死んだゴキブリを始末して欲しくて、都合よく蜘蛛のおいでを願っていたら、ゴキブリがゾンビ化して大変だったのだが。

 そのゴキブリがゾンビ化していた場所に、今度は、そのでっかい蜘蛛が死んでいた。

 なに此処っ。
 此処、誰かがなにかに(みつ)ぎ物として、なにかの死体を持ってくる場所っ?
と動転する。

「いや、それ、誰が何処になにをしてるんだ?」
と帯刀に突っ込まれそうな曖昧なことを思いながらも、羽未は、ひとりで踏ん張ることにした。

 だって、私、一家を守る主婦になったんだからっ。

 いずれは子どもを守るために、蜘蛛の死体くらい片付けられるようにならなきゃいけないしっ、と思う。

「いや、あんた、死んだ蜘蛛は襲いかかってこないって……」
和花(わか)辺りが言ってきそうだったが。
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