……秘密があります
「ありがとうございます。
 でも、自力で頑張ってみます」
と羽未が笑うと、帯刀は複雑そうな顔をする。

「お前がしっかりするのは喜ばしいことだが。
 寂しくもあるな。

 もっと俺を頼ってくれ、羽未。

 いつまでも俺だけを頼ってくれ」

「課長……」

「課長はよせ」
と言われるが、職場で呼んでいるので、ついつい、家でも課長になってしまう。

「だがまあ、ひとりでよく頑張ったな、羽未」
と帯刀はそこで羽未を褒めてきた。

「晩ご飯も忙しいのに、頑張って作ったな」

「いや、私は漬物切っただけなんですけど……」

「前より綺麗に切れてたぞ」

 ……なんだろう、不自然に褒められている、と気づき、帯刀を見つめていると、帯刀は白状する。
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