……秘密があります
 ……いやいや、もうやめてください。

 そんな顔、間近で見させられたら死にそうです……。

 そう思っている羽未を抱いて、帯刀は寝室へと向かう。

「そうだ。
 今日の蜘蛛騒動はブログに書いてもいいが――」

 いや、そうなにもかも書きませんってばっと思う羽未の頬に軽く口づけ、帯刀は言った。

「……でも、此処から先のことは書くなよ」

 ――俺たちだけの秘密だ。

 照れる羽未にそう微笑みかけ、帯刀は寝室の扉を閉めた。



                        完



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