……秘密があります
バーベキュー当日、会社で待ち合わせしたあと、何台かに分かれて山のオートキャンプ場へと向かった。
羽未は駐車場で離れた場所に居る帯刀を見ていたが、会社まで士郎に乗せてきてもらっていたこともあり、
「羽未は俺の車な」
と士郎に勝手に割り振られていた。
阿佐子が助手席。
羽未と芳賀が後部座席に乗る。
「いやあ、悪いな、士郎。
運転してもらって。
呑めないじゃないか、お前」
と芳賀が士郎に言っていた。
「いやいや。
家に帰ってゆっくり呑むから。
……今日はちょっとのんびり酔ってるわけにはいかないんで」
と士郎は何故かバックミラー越しにこちらを見る。