君のキスが狂わせるから
「本当に、女性慣れしすぎなんじゃない?」
腹立たしく思った私は、さっきまで躊躇していた深瀬くんのラインを迷いなく登録して承認を待った。
すると数分して、彼の方から『こんばんは。早速ありがとうございます』と、トークが入る。
美緒先輩と話す前だったら、舞い上がるところだったけれど、対象外と知った今はかなり冷静だ。
『こんばんは。承認ありがとう。基本私からは連絡しないと思うけど、会社での愚痴くらいなら聞けるよ。じゃあ、お休みなさい』
気付いたら、こんな味気ない先輩風を吹かせたようなメッセージを送っていた。
あの人気ナンバーワンの深瀬王子から連絡が来たというのに、まるっきり気の無い雰囲気のメッセージだ。
(これでつまらない人だなと思って離れていくなら、それでもいいよ)
そう思っていたら、突然ラインの着信音が鳴る。
「嘘、通話…?」
オロオロした結果、5コールくらいでやっと通話ボタンを押した。
「もしもし?」
『すみません突然。今、大丈夫ですか』
通話で聞くと、思った以上に彼の声は低いトーンだった。
その響く声色が体を僅かに痺れさせる。
(私、意識しすぎ)
「大丈夫だけど……どうしたの」
『俺の考えすぎかもしれないですけど、愛原さん、何か怒ってます?』
「どうして」
『なんか……正直、もう少し柔らかいメッセージが来ると思ったんですけど。突き放す感じだったんで、ショックだったっていうか』
そんな甘えた声で言われても、困ってしまう。
私は彼の慰め役なんだろうか。
母親役でも求められてる?
頼りになる年下くんかと思いきや、そうでもない部分も見せられて、今や私の思考はぐちゃぐちゃだ。
(私が欲しいのは、私も甘えられる対等なパートナーだよ)
腹立たしく思った私は、さっきまで躊躇していた深瀬くんのラインを迷いなく登録して承認を待った。
すると数分して、彼の方から『こんばんは。早速ありがとうございます』と、トークが入る。
美緒先輩と話す前だったら、舞い上がるところだったけれど、対象外と知った今はかなり冷静だ。
『こんばんは。承認ありがとう。基本私からは連絡しないと思うけど、会社での愚痴くらいなら聞けるよ。じゃあ、お休みなさい』
気付いたら、こんな味気ない先輩風を吹かせたようなメッセージを送っていた。
あの人気ナンバーワンの深瀬王子から連絡が来たというのに、まるっきり気の無い雰囲気のメッセージだ。
(これでつまらない人だなと思って離れていくなら、それでもいいよ)
そう思っていたら、突然ラインの着信音が鳴る。
「嘘、通話…?」
オロオロした結果、5コールくらいでやっと通話ボタンを押した。
「もしもし?」
『すみません突然。今、大丈夫ですか』
通話で聞くと、思った以上に彼の声は低いトーンだった。
その響く声色が体を僅かに痺れさせる。
(私、意識しすぎ)
「大丈夫だけど……どうしたの」
『俺の考えすぎかもしれないですけど、愛原さん、何か怒ってます?』
「どうして」
『なんか……正直、もう少し柔らかいメッセージが来ると思ったんですけど。突き放す感じだったんで、ショックだったっていうか』
そんな甘えた声で言われても、困ってしまう。
私は彼の慰め役なんだろうか。
母親役でも求められてる?
頼りになる年下くんかと思いきや、そうでもない部分も見せられて、今や私の思考はぐちゃぐちゃだ。
(私が欲しいのは、私も甘えられる対等なパートナーだよ)