私立秀麗華美学園
「何しに来てん! とっとと帰れや!」
笠井が口を開くより先に、咲が自ら目の前に躍り出る。
自分がどんな格好をしているのかも忘れて。
「おっ! 咲ちゃんじゃん。すげー格好!」
咲は、はっ! という表情をした。ゆうかがため息をつく。
やり取りを見るC組の方々は、当然ながら何がなんだかわからない様子だ。
「つか何? もしかしてメイド喫茶とかいうあれ? 古くね? うけんだけどー」
今度は取り巻き共はいない。笠井はC組の教室中を眺めまわして笑い始めた。
そんな失礼な訪問者を見て、飛び出してきたやつがいた。
「なんということを!」
姫を助けに参上した雄吾、ではなくて、堂本だった。
「あなたのような人間に、空前のブームを引き起こし、今や日本のサブカルチャーともなったメイド喫茶を侮辱する権利はありません!」
堂本はそれだけ言うと、咲と笠井の間に割り込み、きつく笠井を見据えた。ただ、身長差はそうとうなものである。
「うわーまじでこんなやついんだ。うけるわー。つーか、お前誰」
「風來さんのクラスメイトです!」
「お前に用はねえんだよ。俺は咲ちゃんと、この前のきざな野郎の顔見に来たんだっつーの」
そう言うと笠井は堂本を押しのけ、頭をかいて教室に踏み込んだ。
雄吾の姿を探しているらしい。と、視線が俺の方に向いた。俺は無意識に身構える。
何か言われるかと思いきや、笠井は口の端を歪め、ちょっと笑って見せただけだった。
俺の後ろにいるゆうかが、笑いを呑みこんだのがわかった。
……この前のきざな野郎、に、棒きれを渡す役だって、結構必要だったんだぞ……
「仕方がないな」
おもむろに、笠井の目当ての人物の声が聞こえた。
そして思わぬところからその姿は現れる。
どこからって、まさかの教卓の中から。
笠井が口を開くより先に、咲が自ら目の前に躍り出る。
自分がどんな格好をしているのかも忘れて。
「おっ! 咲ちゃんじゃん。すげー格好!」
咲は、はっ! という表情をした。ゆうかがため息をつく。
やり取りを見るC組の方々は、当然ながら何がなんだかわからない様子だ。
「つか何? もしかしてメイド喫茶とかいうあれ? 古くね? うけんだけどー」
今度は取り巻き共はいない。笠井はC組の教室中を眺めまわして笑い始めた。
そんな失礼な訪問者を見て、飛び出してきたやつがいた。
「なんということを!」
姫を助けに参上した雄吾、ではなくて、堂本だった。
「あなたのような人間に、空前のブームを引き起こし、今や日本のサブカルチャーともなったメイド喫茶を侮辱する権利はありません!」
堂本はそれだけ言うと、咲と笠井の間に割り込み、きつく笠井を見据えた。ただ、身長差はそうとうなものである。
「うわーまじでこんなやついんだ。うけるわー。つーか、お前誰」
「風來さんのクラスメイトです!」
「お前に用はねえんだよ。俺は咲ちゃんと、この前のきざな野郎の顔見に来たんだっつーの」
そう言うと笠井は堂本を押しのけ、頭をかいて教室に踏み込んだ。
雄吾の姿を探しているらしい。と、視線が俺の方に向いた。俺は無意識に身構える。
何か言われるかと思いきや、笠井は口の端を歪め、ちょっと笑って見せただけだった。
俺の後ろにいるゆうかが、笑いを呑みこんだのがわかった。
……この前のきざな野郎、に、棒きれを渡す役だって、結構必要だったんだぞ……
「仕方がないな」
おもむろに、笠井の目当ての人物の声が聞こえた。
そして思わぬところからその姿は現れる。
どこからって、まさかの教卓の中から。