私立秀麗華美学園
昼休みの始まりを告げるチャイム(鐘)が鳴った。

急いで昼食を済ませ、集合場所へ。今朝の話し合いの続きだ。
ゆうかの席を見ると、既に姿はなかった。考えるまでもなく、姫は同じクラスの騎士をおいて先に行ったようだ。




「和人ー! 遅いでー!」


のろのろと歩いて到着したのは、屋上への階段の踊り場。
3人は座って何やら話し込んでいた。


「何か決まったか?」


尋ねて、ゆうかの隣に腰を下ろす。


「俺は堂本の友達につく」

「私と咲は放課後、三松さんのところへもう少し話を伺いに行くわ」

「……俺は?」

「特に何もないけど。んー、部屋で、今後の進路かなんかでも考えとればあー」


なんだその扱いは。完全に仕事ではない。ついに放置か。


「話を聞かないことには何も進まないしね。今日はこれで解散ってことで」


ああ、俺放課後部屋に引きこもり決定なんだ。誰か抗議してくれよ。


「ほんならゆうか、C組来てなー!」


あくびをかみ殺した雄吾が、まさか俺を庇ってくれるはずもなく、俺が来た意味もわからないままに会議は終了した。


「あとでね、咲」


ゆうかはそう言うと、くるりと背を向けてA組の方へ歩き出した。
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