私立秀麗華美学園
ゆうかと俺は一声も発さずに、ぽかんと男を見つめた。
場のしらけ度は最高潮で、かあ、と哀しいカラスの鳴き声が聞こえてくれば完璧だった。
「え、ちょ、これ、冗談とかじゃないんで……」
「えっと、主って、ここの管理人ってことですか? そんな存在、全くもって聞いた覚えがないんですけれど」
ゆうかが一応まともな返事をしたのに気をよくし、金髪の男はぺらぺらとまくしたて始めた。
「やー、管理人っつったら大袈裟だけどさあ、園の庭師? みたいな。あ、庭じゃねーから庭師じゃねえか。園師か。俺、これでも1ヶ月前までホストやってたわけ。でもなんか不況で店が倒れてよお。いい加減まともな職につけって母ちゃんに言われて、ここの仕事をもらったってわけ! でもついカップルが来たら覗き見しちゃってさあ、悪りい悪りい」
「はあ……」
一体どこからつっこめばよいのやらとんと見当が着かず、とりあえず出てきた言葉はご覧の通り至極まぬけなものだった。
えーっと、別に庭の世話するから庭師とかじゃなく植わっている植物の手入れをしていればそれは庭師と呼んで間違っていないだろうし、これでもホストっていやいや見たまんまですけどって感じだし、いい加減ついたまともな職がこの学園の庭師ってお前の母ちゃん何者だよって話だし……一番最後のけったいな発言については聞き流すとして。
「つまり、新入りの学園職員ってことですね」
「そーいうことだ。まあ、よろしくな! で、お前だお前! なんであの状況で目え逸らすんだよ!」
急に男が俺に向かって、びしっと指を指してきたので、思わず後ずさった。
「目え逸らしてる場合じゃねえだろうが! お前あそこで決めねえでどこで決めるんだよ! しらかみ学園の男子たるもの……」
男はなんとも勝手に、男のあるべき姿についてつらつらと語り始めた。ゆうかと俺は、男のセリフの中に、聞き慣れない言葉を聞いて顔を見合わせた。
場のしらけ度は最高潮で、かあ、と哀しいカラスの鳴き声が聞こえてくれば完璧だった。
「え、ちょ、これ、冗談とかじゃないんで……」
「えっと、主って、ここの管理人ってことですか? そんな存在、全くもって聞いた覚えがないんですけれど」
ゆうかが一応まともな返事をしたのに気をよくし、金髪の男はぺらぺらとまくしたて始めた。
「やー、管理人っつったら大袈裟だけどさあ、園の庭師? みたいな。あ、庭じゃねーから庭師じゃねえか。園師か。俺、これでも1ヶ月前までホストやってたわけ。でもなんか不況で店が倒れてよお。いい加減まともな職につけって母ちゃんに言われて、ここの仕事をもらったってわけ! でもついカップルが来たら覗き見しちゃってさあ、悪りい悪りい」
「はあ……」
一体どこからつっこめばよいのやらとんと見当が着かず、とりあえず出てきた言葉はご覧の通り至極まぬけなものだった。
えーっと、別に庭の世話するから庭師とかじゃなく植わっている植物の手入れをしていればそれは庭師と呼んで間違っていないだろうし、これでもホストっていやいや見たまんまですけどって感じだし、いい加減ついたまともな職がこの学園の庭師ってお前の母ちゃん何者だよって話だし……一番最後のけったいな発言については聞き流すとして。
「つまり、新入りの学園職員ってことですね」
「そーいうことだ。まあ、よろしくな! で、お前だお前! なんであの状況で目え逸らすんだよ!」
急に男が俺に向かって、びしっと指を指してきたので、思わず後ずさった。
「目え逸らしてる場合じゃねえだろうが! お前あそこで決めねえでどこで決めるんだよ! しらかみ学園の男子たるもの……」
男はなんとも勝手に、男のあるべき姿についてつらつらと語り始めた。ゆうかと俺は、男のセリフの中に、聞き慣れない言葉を聞いて顔を見合わせた。