私立秀麗華美学園
怖い。なんか、すげー、怖い。
今までだってゆうかを怒らせたことは数え切れないほどあったけど、こんなに怖いのは初めてだ。
ゆうかが怖い、という怖さじゃない。明日からどうなるのかが怖い。
いつもだったら謝り倒してる。でも今回は、理由の説明をできる気がしない。悪いのは俺だけど、今度からこうするからとか、そういうことが言えない。
翌日の朝は1人で登校を覚悟していた。待ち合わせの時計の下で、来ないゆうかを待ちながら20分、悩みまくろうと思ってた。
だから朝、いつもの場所にゆうかがいるのを見た時は本当に驚いた。
「おはよ」
「お、おはよう」
しかも、しゃ、喋った。
混乱する頭をどうにか落ち着かせて歩いた。無言で並び学校へ向かう。
結局教室まで一言も喋らなかったが、とにかく、ゆうかと一緒に学校に来た。
そんな出来事があっての昼休みだ。
ヨハンがゆうかを誘って教室を出て行った。ヨハンに妬かせるのが目的だから、たぶん目の前で仲良くするとかそんなんだろうな。
この状態でかよ、と、顔を突っ伏す。
「ちょっ……何? なんかまたあったん?」
カルラと連れ立って教室に入って来た咲は、俺の席へやってくると眉をひそめた。
「なんかっていうか、まあ、自業自得」
「どうせゆうかやんな? そういえば昨日、風邪気味とか言うてめっちゃ早くにベッド入ってたけど」
「怒ってたわけじゃ、なくて……?」
「うん。テンションは低かったかな」
怒ってない、というそのゆうかの様子を聞いて、余計不安になるのなんて初めてだ。
笠井もやってきて、カルラは不思議そうに俺の顔を覗き込む。
「カズト、だいじょぶ?」
「大丈夫大丈夫。彼がへこたれているのは、日常茶飯事だからね」
「てめーな」
笠井を睨むと、険しい顔つきでぼそりと、
「いい加減にしろよ」
聞き返す前に腕をつかまれ教室の外に引っ張り出された。
「行こうか」
笑顔の笠井に首を傾げつつ、咲とカルラも続いた。
今までだってゆうかを怒らせたことは数え切れないほどあったけど、こんなに怖いのは初めてだ。
ゆうかが怖い、という怖さじゃない。明日からどうなるのかが怖い。
いつもだったら謝り倒してる。でも今回は、理由の説明をできる気がしない。悪いのは俺だけど、今度からこうするからとか、そういうことが言えない。
翌日の朝は1人で登校を覚悟していた。待ち合わせの時計の下で、来ないゆうかを待ちながら20分、悩みまくろうと思ってた。
だから朝、いつもの場所にゆうかがいるのを見た時は本当に驚いた。
「おはよ」
「お、おはよう」
しかも、しゃ、喋った。
混乱する頭をどうにか落ち着かせて歩いた。無言で並び学校へ向かう。
結局教室まで一言も喋らなかったが、とにかく、ゆうかと一緒に学校に来た。
そんな出来事があっての昼休みだ。
ヨハンがゆうかを誘って教室を出て行った。ヨハンに妬かせるのが目的だから、たぶん目の前で仲良くするとかそんなんだろうな。
この状態でかよ、と、顔を突っ伏す。
「ちょっ……何? なんかまたあったん?」
カルラと連れ立って教室に入って来た咲は、俺の席へやってくると眉をひそめた。
「なんかっていうか、まあ、自業自得」
「どうせゆうかやんな? そういえば昨日、風邪気味とか言うてめっちゃ早くにベッド入ってたけど」
「怒ってたわけじゃ、なくて……?」
「うん。テンションは低かったかな」
怒ってない、というそのゆうかの様子を聞いて、余計不安になるのなんて初めてだ。
笠井もやってきて、カルラは不思議そうに俺の顔を覗き込む。
「カズト、だいじょぶ?」
「大丈夫大丈夫。彼がへこたれているのは、日常茶飯事だからね」
「てめーな」
笠井を睨むと、険しい顔つきでぼそりと、
「いい加減にしろよ」
聞き返す前に腕をつかまれ教室の外に引っ張り出された。
「行こうか」
笑顔の笠井に首を傾げつつ、咲とカルラも続いた。