私立秀麗華美学園
翌日昼休みに仕事場で集合ということで、4人が集まった。
壁に背中をつけた堂本の周りを4人が取り囲む。
はたから見ればリンチか恐喝現場に見えることうけあいだ。


「どうぞ、お話しください?」

「は、はい……」


ゆうかの艶めいた、しかし有無をも言わさぬ声に促され縮こまった堂本はどうにか口を開いた。


「えっと、昨日は、妹を家まで送っていたんです。あの家は実家ですが、僕の住んでいるところではありません。僕は養子として、堂本家にいるんです」

「そうやったん……」


堂本が黙り込み、重たい沈黙。
誰がこんなシリアスな話を予想していただろう。触れてはいけないひとの心に触れてしまった的な気まずさ。
ここは、なかったことにして……。


「どうして?」

「え?」

「どうしてあなたが堂本家の養子なのかって聞いてるのよ」

「そ、それは……」


ゆうかは腕を組み、鋭い視線を堂本に投げている。


「ふーん……何か隠し事でもあるみたいじゃない?」


小悪魔モードON。

ゆうかがそう言うということは、隠し事があるということだ。
現に堂本の額には玉のような汗が浮かんでいる。


さあ、堂本は逃げられない。
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