私立秀麗華美学園
不安要素しかないクッキングが始まってしまった。
とりあえず、味噌汁。
いつも雄吾がしてるみたいに、おわんで水をすくって4杯分鍋に入れる。普段はたぶん出汁とってるだろうけどよくわからないので顆粒状のもので間に合わせ。
えいっと一振りふった。薄茶色の細かい粒がゆらっと水面に浮かぶ。量がわからない。軽くもう一振りしてやめておくことにする。
大根、まな板包丁を出したところで見てみると、咲とゆうかは鍋の入った引き出しをじっと見つめていた。
「……何してんの」
「おっ、おかゆ、作る鍋、どうやって選べばいいん……!」
「炊飯器で作れるよ」
「おかゆは1人分やの。炊飯器はあたしらの米炊かなあかんやん」
「咲おかゆ嫌いだから」
「めんどくせーやつだな」
てきとうにみつくろって鍋を出すと、咲は不満そうな顔をした。
「……料理するのが億劫なのはこのへんからなのよねー。どれを何に使ったらいいのかっていうのが、知識だけじゃ間に合わないの」
代弁するようにゆうかが言って米びつを開ける。
「経験だからなー。俺はいっつも雄吾の見てるし」
「じゃああたしも雄吾と住むようになったら、雄吾の見て覚える」
微妙に大胆発言をして、咲は計量カップで米をすくった。半カップぐらいでいいと思う、と助言する。
この2人にとっての未来って、結婚ってのが結構明確に見えてるんだよなあと思う。
他の婚約者同士のことはよく知らないのでそれが一般的なのかどうかはわからない。でも、幸せなことなんじゃないかとは思う。
ゆうかを見たらぶつぶつ言いながら鍋に水をはる咲を眺めている後頭部しか見えなかった。
遠いなー、と思いながら、俺は大根の皮をむく。
とりあえず、味噌汁。
いつも雄吾がしてるみたいに、おわんで水をすくって4杯分鍋に入れる。普段はたぶん出汁とってるだろうけどよくわからないので顆粒状のもので間に合わせ。
えいっと一振りふった。薄茶色の細かい粒がゆらっと水面に浮かぶ。量がわからない。軽くもう一振りしてやめておくことにする。
大根、まな板包丁を出したところで見てみると、咲とゆうかは鍋の入った引き出しをじっと見つめていた。
「……何してんの」
「おっ、おかゆ、作る鍋、どうやって選べばいいん……!」
「炊飯器で作れるよ」
「おかゆは1人分やの。炊飯器はあたしらの米炊かなあかんやん」
「咲おかゆ嫌いだから」
「めんどくせーやつだな」
てきとうにみつくろって鍋を出すと、咲は不満そうな顔をした。
「……料理するのが億劫なのはこのへんからなのよねー。どれを何に使ったらいいのかっていうのが、知識だけじゃ間に合わないの」
代弁するようにゆうかが言って米びつを開ける。
「経験だからなー。俺はいっつも雄吾の見てるし」
「じゃああたしも雄吾と住むようになったら、雄吾の見て覚える」
微妙に大胆発言をして、咲は計量カップで米をすくった。半カップぐらいでいいと思う、と助言する。
この2人にとっての未来って、結婚ってのが結構明確に見えてるんだよなあと思う。
他の婚約者同士のことはよく知らないのでそれが一般的なのかどうかはわからない。でも、幸せなことなんじゃないかとは思う。
ゆうかを見たらぶつぶつ言いながら鍋に水をはる咲を眺めている後頭部しか見えなかった。
遠いなー、と思いながら、俺は大根の皮をむく。