私立秀麗華美学園
「今日もまたか」

「用具室に立てこもる意味がわかんないわ。これで解決したんだから、問題ないのよ」


ゆうかは足についたほこりを掃いながら言った。


「……いつか怪我するぞ」


ゆうかを怪我させられる扉があったら見てみたいが。


「思ってもないくせに」


やはりすぐに見破られてしまう。


「まあまあ、和人もゆうかのこと心配やねんて」

「余計なおーせーわ」

「俺、騎士じゃなかったっけ」

「俺だって、咲に武道で勝てる気はしない」

「雄吾は剣道あるからえーの!」


と言って雄吾の腕にべたりとくっつく咲から俺は目を逸らした。
はいはい俺にはどーせ何にもないですよ!


「和人だって……なあ……?」


なあって何だ。なあって。

中途半端な励ましと共に、雄吾からは憐れみの視線が送られて来る。


「今回は、いろいろあるから、テスト……」

「あ、来たで2人!」


俺がテスト頑張る宣言をしようとした途端、三松と堂本がこっちに向かって来た。
しかもしかも、手を繋いで。


どいつもこいつもあーあーあーあー!
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