私立秀麗華美学園
恐る恐る問題用紙の端を見やると、大問8の配点は18点。
good-bye世界史。
さようなら。
その時突然教室のドアが開いた。大きな音をたてて。
その途端、悲しいことにびびりと言わざるを得ない俺は、びくりと痙攣し、用紙にぴったりとつけていた心もとない長さの芯を持つ指も震え……
半分に折れて、5mm足らずになってしまった。
……good-bye,部分点。
この状態では一文字書くこともできやしない。
運も尽き果てたかと思った。が、よく考えればいつも通り、ここはプライドを捨て、例の体育教師、白咲先生に事情を話すという方法があった。
俺に運が少しでも残っていれば、さすがの白咲も、テストの時ぐらいは容赦してくれるかもしれない。
その白咲を見ると、名前にそぐわない色の頬をばりばり掻いていた。
こいつは恐らく、学園中で一番ここにふさわしくない教師だ。
♂、中年、メタボ、熱血。どうせ学園ドラマにでも感化されて教職についたのだろうと想像がつく。
プライドを捨てろ! 俺! 簡単だ!
そして手を挙げるんだ! ただ一言「芯をください」と言えば片付く問題だ!
come back世界史!
その時、先ほど教室の戸を開けた、あのおばはん(担任)が入ってきて、何やら白咲に耳打ちしているのが目に入った。
「そうですか……おい! 2-A! 試験時間は残り……5分と少しだ。急用により、今から監督はいなくなる。が、この学校の生徒として、不正行為などもってのほか、私語も慎め。おい、委員長は……おお、笠井だったな! あとは頼んだぞ!」
口早にそう言うと、今の俺には、全知全能の神ゼウスにも勝る人物に見えた白咲は、教室を出て行ってしまった。
good-bye again,何もかも……
good-bye世界史。
さようなら。
その時突然教室のドアが開いた。大きな音をたてて。
その途端、悲しいことにびびりと言わざるを得ない俺は、びくりと痙攣し、用紙にぴったりとつけていた心もとない長さの芯を持つ指も震え……
半分に折れて、5mm足らずになってしまった。
……good-bye,部分点。
この状態では一文字書くこともできやしない。
運も尽き果てたかと思った。が、よく考えればいつも通り、ここはプライドを捨て、例の体育教師、白咲先生に事情を話すという方法があった。
俺に運が少しでも残っていれば、さすがの白咲も、テストの時ぐらいは容赦してくれるかもしれない。
その白咲を見ると、名前にそぐわない色の頬をばりばり掻いていた。
こいつは恐らく、学園中で一番ここにふさわしくない教師だ。
♂、中年、メタボ、熱血。どうせ学園ドラマにでも感化されて教職についたのだろうと想像がつく。
プライドを捨てろ! 俺! 簡単だ!
そして手を挙げるんだ! ただ一言「芯をください」と言えば片付く問題だ!
come back世界史!
その時、先ほど教室の戸を開けた、あのおばはん(担任)が入ってきて、何やら白咲に耳打ちしているのが目に入った。
「そうですか……おい! 2-A! 試験時間は残り……5分と少しだ。急用により、今から監督はいなくなる。が、この学校の生徒として、不正行為などもってのほか、私語も慎め。おい、委員長は……おお、笠井だったな! あとは頼んだぞ!」
口早にそう言うと、今の俺には、全知全能の神ゼウスにも勝る人物に見えた白咲は、教室を出て行ってしまった。
good-bye again,何もかも……