私立秀麗華美学園
「あたし、25位やってん!」

「えええええぇぇぇ!?」


驚愕の報告内容に、俺たちは目玉が落っこちるんじゃないかと思うほど大きく目を見開いた。雄吾ですら黒目が全部見えている。って俺は何をチェックしてんだよ。


「か、笠井、上回ってるじゃない」

「そうなんー? んでな、ゆうかは3位やった! 雄吾は7位に入ってたで!」

「……俺はよ」


俺の独り言は聞こえていないのかそれとも毛頭聞く気がないのか、咲はぴょんぴょん飛び跳ねて歓喜の声を上げていた。

お前、絶対重要なこと忘れてる。もしくは咲の優先順位の中で俺は、思った以上に低いところに位置しているらしい。


「ゆうかはさすがだな。上にはあと2人か」

「雄吾だって最高順位じゃない? で、えーっと……和人のは……」

「あ、忘れてた。でもあたしより上にはおらんかったよ」


……ふん。


「にっ、26位って可能性があるじゃない! 笠井は和人の名前を探しもしなかったらしい……し……」


ゆうかはしどろもどろにそう言った。
さすがに無理があると思う。


「おーい! 和人ー!」


誰かが後ろから肩に両手を乗せて飛びついて来た。
まるで主にじゃれつく飼い犬のようだ、と思って振り返ったところ、案の定、真二だった。


「聞いてくれよー! 俺、過去最高順位! やっぱ未樹の特訓のおかげかなー……」

「待て、なんか、聞きたくない」

「なんでだよ。どうせ張り紙見たらわかるだろ、俺、26位だった!」

「それはそれは、素敵な報告を、どうも……」

「なんだよどうしたんだよ。ひでえなー」


引きつった3人の顔と俺から発され始めたオーラを感じ、真二は首を傾げつつ俺たちから離れて行った。
< 95 / 603 >

この作品をシェア

pagetop