俺のボディガードは陰陽師。
「それを言うなら、火事場の馬鹿力だろ」
「そんな屁理屈細かいことはいいって。…そんなことより、獲物はセオリー破って見境ない。学校の敷地の結界強化して」
(獲物、結界…)
先日同様、二人の報告、分析、作戦会議は続くのだが。
「わかった。この後校内回って確認しておく」
「あと、調査進んでる?私が頼んだことは?」
「進んでるよ。ひょっとしたらビンゴかもしれない」
(調査…)
…二人の会話は耳をすり抜けてしまい、なかなか頭に入ってこない。
何を話しているか、ワケがわからないっていうのもあるけど。
《…安中さん?!…安中さん、大丈夫?!》
《血が!…起きて!起きて!しっかりして!》
《…おまえ!ボーッとしてんじゃねえぞ!》
《颯太っ…》
目の前で力尽きた、友人達の姿と。
《…あああぁぁぁっ!…許さない愛してる許さない愛してる許さない愛してる…あああぁぁぁっ!…》
あのバケモノの高い声が…。
動揺が…体を離れてくれない。
「あ、あの…」