俺のボディガードは陰陽師。
このっ…!
と、口から怒声が出そうになったが。
ピンポーン♪と玄関のチャイムが鳴る。
怒声を飲み込んでしまった上、周りのガヤも一斉に静かになった。
「…客?」
こんな時間に?
横では親父がボソッと呟く。
「…来たか」
忠晴が直ぐ様ドアの方へ赴く。
少し開けて「お待ちしておりました」と、そのドアを大きく開いた。
…しかし、登場した人物そのものに驚かされるのは、間もなく。
(えっ…)
派手な紫色のスーツケースがガタガタッと音を立てて登場。
その持ち主も共に登場。
「…頼もおぉぉーっ!今日からこの家にお世話になりますぅぅっ!」
えぇっ!頼もー!って!
…道場破り?
いえ、そんなことは問題ではない。
問題なのは…夜にも関わらず、元気よく登場した人物そのもの!
こんな夜だが、ヤツはまだ制服姿で。
昼に見かけた姿と何ら変わりなし。
紛れもなく、その姿は。
俺のボディーガード陰陽師。
鈴代なずな…!
なぜ…なぜうちに!