俺のボディガードは陰陽師。
…だからと言って、こんな!
このやたらと偉そうなデリカシーのないギャルとひとつ屋根の下、衣食住を共にするなんて!
普段通りの生活もあったもんじゃない。恐らく。
(…親父!)
この提案を快く承諾したという親父の背中を睨み付ける。
24時間警護?
過保護にも程があるだろ…!
「社長、すみませんが自分はこれから依頼がありますのでここで失礼します」
そう言って、丁寧に頭を下げる菩提さん。
親父は「お、そうか」と答えている。
「いろいろ話したいことがあったのだが…」
「すみません。近日中お邪魔させて頂きます。あと…」
…え?菩提さん、帰るの?
って、うちに住み込むの、鈴代だけ?
そんな…!
帰らないで!と目で訴えるが、その頼りになるしっかり者の彼は、忠晴と話していた。
「…あと、忠晴さん。なずなの指導をよろしくお願いいたします」
「指導…ですか?」
「はい。我々は橘家に遣える身なので、使用人の立場となります。なので、くれぐれもなずなが橘の皆様に失礼がないよう、何なら忠晴さんの仕事を手伝わせても構いませんが」
「は、はぁ…」