俺のボディガードは陰陽師。
「ちなみに失礼な振る舞いは減俸対象とさせて頂きますので、ぜひ報告を…」
「そ、それは…」
鈴代の「やめてー!」という悲痛な叫びが聞こえる。
忠晴が親父をチラッと見ていたが。
そこで親父は「ならん!」と口出しをした。
「…それはならん!使用人?ならんぞ菩提!そいつだけは…なずなだけはならん!」
親父…?
ここ一番で、声を荒げてムキになっている。
「…菩提、やっぱりちょっと来い!」と菩提さんを連れて、家の外に出てしまった。
何だ…?
「………」
鈴代なずなは、そんな二人の様子を黙って遠くから見ていた。
一向に戻って来ない二人はさておいて。
忠晴に連れられて「お邪魔します」と、鈴代は荷物を持って家に上がる。
すると、今度はうちの母さんだ。
「なずなさん、よろしくね?こっちよ?」
そう笑顔で話し掛け、鈴代からスーツケースを横取り、手にして案内しようとする。
「奥様、私がご案内を…」
「いいのよ!伶士の部屋の隣の客室でしょ?私が連れてくから!忠晴は伶士の食事でも出してあげてちょうだい」
「お、奥様!」
母さん、忠晴を押しきって鈴代を連れて行ってしまった…。