俺のボディガードは陰陽師。
珍しい。
母さんが、積極的に客人に話し掛けるなんて。
…母さんは現在、実家の百貨店の婦人服売場、化粧品売場の企画を手伝っているけど。
実は、見た目がキレイなだけの箱入り娘で育っていて、親父の前ではいつも控えめで、客が来ても気持ち親父の後ろに隠れている人なのに。
こんなこともあるもんだ。
相手が女子高生だからか?
「奥様なの?若っ。キレイだね」
「そう?ありがとう!なずなさんも可愛いわよ?メイク派手ね?」
「このメイクじゃないと気合い入らないんだ。戦えない」
「まあ、そうなのー」
もう談笑しとる。
溶け込んでるわ。
戦えない?何だそれは。
ギャルメイクは戦闘装備なのか?
24時間戦える系?
24時間警護するからな?俺の…。
(あぁ…)
みんなそれぞれ散ってしまった中で、俺はとりあえず食事。
忠晴に用意してもらって、一人ぽつんと食事をしていた。
「伶士さま、本当によく食べるようになりましたね」
「とりあえず食べまくって走らないと、高校では着いていけないって瞳真くんに言われたし」
「まあ、瞳真さん。いつでもずっと伶士さまの良いお兄さんですね」
「………」