俺のボディガードは陰陽師。
俺だって、もう高校生だ。
自分に対する明確なプランや、意志だってある。
北桜学園を出て公立高校を受験したいと懇願した時だって、めちゃくちゃ猛反対された。
下手に出て頭を下げても、ダメだ!の一点張りで。
そこで、親友である瞳真くんのお父さんが墾々と説得してくれて、ようやく折れたんだ。
未だにその事はチクチクと言われる。
あの親父は、まだ俺を子供扱いしていて、過保護すぎる。
兄貴とは対等に話を聞くのに。
俺の話なんて、ひとつも聞いちゃくれない。
成績優秀で、溢れるほどの才能に恵まれた要領の良い長男。
優秀には及ばず、地味で出来の悪い次男。
その差は明確で。
扱いも違う。
そんなことを考えると、腸煮えくり返ってくるのだった。
…何に腹立たしいのかって?
親父にも、兄貴にも腹立たしく感じるけど。
一番は、そんな出来の悪い自分。
期待に応えきれない自分だったり…した。
…それから、鈴代なずなはしばらく親父の書斎から出てこなかった。
そんなのを待っていたワケでもなく。
俺はさっさと部屋で寝て。
その日は顔を合わせることもなかった。
ぶっちゃけ。
鈴代が夜うちに来てから、アイツとは一言も喋ってない。