俺のボディガードは陰陽師。
「そういや伶士、今日は元気そうだね」
「ん?そうか?」
昼休みも中盤。
俺達男子の集まりの中に、何気に加わっていた美森がふと俺の顔を見る。
「最近試合続きだから疲れてるのかな?って思ってたけど、今日は何だかスッキリした顔してる」
「そう?あんまり自覚ないんだけど…」
それ、母さんにも言われた。
でも…確かに、今日はいつもの頭痛やダルさはなく、体が軽い。
生活パターン、睡眠時間や食べたモノとか、普段と一緒なんだけど。
何の違いだろうか。
考えてみるが、皆目見当がつかない。
すると、集まりの中にいる一人、野球部の陣内が「あっ。そーだ」と声を上げる。
「そういや伶士。成績学年トップのテスト対策ノート貸してくれー。英語」
「英語?貸さなかったっけ?」
机の中を探していると「いやいや」と、颯太に背中を叩かれる。
「おまえ、3日ぐらい前にチカに貸してたろ」
「…あ、チカに。そうだった」
「おいおいしっかりしなさいな」
「返してもらってくる」と席を立つ。
陣内は「すまないねー。たのんますね」と俺に手を合わせていた。