俺のボディガードは陰陽師。
そんなことを思いながら、今一度鈴代の方をチラッと見る。
だがしかし、周りに取り巻いているギャルの一人と目が合ってしまった。
「…ひゃぁっ!」
えっ…!
目が合った途端、変な声を上げられて、こっちも驚いてしまう。
な、何?!
変な声を上げたギャルは、俺の方をじっと見ている。
あわあわとしてるのか、でも目をキラキラさせて顔が緩んでるのか?
「あぁっ!目が合った…なぜかこの教室にいらしてたさわやか自然百景王子様、橘伶士殿と目が合った…!きゃー!」
…えっ!
思わず目を逸らしてしまう。
「私の王子の伶士殿、私と目が合った!見てた!合った!」
「みっちょ自意識過剰だわそれ。さわやか自然百景王子様は、単にこっちを見ただけみたいな?うわー」
「ちゃうちゃうわ!確かに目が合った!見てた!私をおぉぉぉ!バイブスマジいと上がりけりぃーっ!」
「それジャニ系のライブでよくあることだから。ちょっと振り向いただけでその周辺の20人ぐらいが『私を見た!』って豪語する現象」
そんなに騒いで…。
俺、何かいけないことしたみたいな気持ちになってる。
チカは「おー」と声をあげていた。