俺のボディガードは陰陽師。
…何で環境が変わっても、この事が常に付きまとってくるんだろう。
なぜ、ふっきれないのか。
(やれやれ…)
シャワーを止めて、水が滴る髪を掻き上げる。
浴室のドアを開けて、バスタオルを手に取り頭や顔を拭いた。
(…ん?)
その時、脱衣場の奥にあるサウナの方で物音が聞こえる。
「サウナサウナー♪」と、女のご機嫌な声が聞こえてきた。
…お、女?!
と、思った時にはもう遅い。
「スイッチ入れましたイェース!」
勢いよく、ガバッとサウナから飛び出してきた。
目の前に突然として現れる。
ピンク色のモコモコしたパーカーを着た女が…!
「あ…」
「…あ」
真っ正面、堂々と鉢合わせる。
それは、誰か…とは、言うまでもない。
鈴代なずなだ…。
お互い、目を合わせたまま固まってしまう。
ヤツと、まさしく全裸の俺。
こ、こっち…全裸。
まずい…。
「………」
お互い言葉を発せず、しばらく固まったままでいた。
気まずい。
それ以外、何物でもない…!