俺のボディガードは陰陽師。
「おまえのその発言、世界中のギャルを敵にまわすぞコラァ!」
「…だから、それは忠晴が勝手に言っただけで!俺は一言も…」
「やかましわああぁぁ!」
被せてきた!何でそうなる!
「私はな?魂込めてこのメイクをせっせとしてんだよ!このメイクしなきゃ仕事がはかどらないんだ!それを…バカにするなああぁぁ!わかったかああぁぁ!」
「あ…あぁ」
「返事!」
「は、はい」
「わかればよろし!」
「………」
「…で、今怒鳴ったこと、剣軌には言わないでね。もう減俸イヤ」
「なずなさん、減俸にビビりすぎですよ」
何だ。
何だ何だ何だ。
この女の起伏の激しさ、振り回されてる感。
ハリケーンのように勢いつけて襲来し、さっさと立ち去っていく感。
いったい何なんだ。
おまえ、芸人なの?
謎過ぎる…この女。
すっぴん可愛いけど。
そんなやり取りをしていると、玄関の方から物音が聞こえる。
玄関のドアがバターンと閉まる音が聞こえた。
「たっだいまー!」と、ご機嫌な声も聞こえてきた。
それはまた、違う嵐の襲来。