俺のボディガードは陰陽師。

しかし。

兄貴が女にバッサリ切り捨てられた。



これは…とんでもないことだぞ?!



学園史上のイケメン王子様と言われ、目を付けた女は百発百中、人の女でも全て軽々と落とした兄貴が。

しかも学園史上の成績優秀者で、勉学以外にも才能に溢れた、そんな完璧王子様と付き合いたくて女が列を作って待ってるぐらい、モテてモテて困っている兄貴が。



ギャルの鈴代なずなに。

うさん臭いヤロー、ペテン師呼ばわりされるなんて!

兄貴のことを小バカにして鼻で笑うなんて!



兄貴の後ろで、忠晴が笑いを堪えている。

それほどセンセーショナルなことなのだ。



兄貴をそんな風に扱う女がいるなんて。

俺だって、ビックリだ。




「………」



絶句している兄貴をチラッと見る。

イケメン台無しひどい顔のまま、フリーズ冷凍中かのように固まってる…。

ペテン師呼ばわりされて、プライドもズタズタ。

それを物語っているようなリアクション…。




「…あ、私部屋行くわ。やることあるし」




スマホの時計を見て「じゃ、おやすみ」とスタスタ歩いてリビングから去る。

このフリーズした状況を見向きもせず。

自由すぎやしねえか。



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