俺のボディガードは陰陽師。
しかし、気がつけばもう遅い時間だったので、忠晴に「もう寝るわ」と一声かけて俺も部屋に戻る。
固まったままの兄貴をその場に残したまま。
「頼智さま、ただ立ってるだけならもうお休みください」と、忠晴に一言かけられていた。
恐らく、ただ立ってるだけじゃないんですよ。
小娘にペテン師呼ばわりされて、ショックを抱えて立ってるんですよ。
…だけど、ちょっと面白かったかも。
部屋に戻っては一人、先ほどのペテン師事件を思い出してはなぜかドキドキしていた。
だってだって。
麗華さん以外の女子が、兄貴に罵声を浴びせて一掃したんだぞ。
今まで見てきた他の女性なら、「行くー!」と素直に喜ぶのもいれば、「あ、うん…」と、照れ隠しながら乗るのもいる。
または、「何言ってんのよもう!」と言いながらも結局最後にはお誘いに応じてしまうツンデレな御方もいて。
結局最後はみんな、兄貴に落ちる。
女はみんな、多少強引なのが良いらしい。
でも普段、兄貴はフェミニストで女性には優しい。
強引と優しさのギャップにやられるのだ。
でも…うさん臭いヤロー、ペテン師と切り捨てた。
鈴代なずなは。