俺のボディガードは陰陽師。

まさか、兄貴のヤツ!

鈴代なずなに手を出して…!



酔っ払いは何をするかわからない。

まさかの事態に、思わず一度閉めたドアを再び開けて飛び出していた。



「…おいっ!」



だが…。



(…え)



…そこは、首を傾げたくなるような状況だった。

もしくは、ガヤ芸人のようにズッコケるとか。



(えぇっ!)



そこには。

廊下に横たわっている…兄貴?



「う、うぅぅぅ…いたたた…」



横たわりながら、微妙にモゾモゾ動いてうめき声をあげている。



その傍には…ヤツが。



「入るなっつってんのに、何入ろうとしてんの?!ねぇ、ねえ!このけーはくナンパうさん臭いヤローなペテン師!」



肩書き、全部くっつけちゃった。

…ではない!



兄貴の傍に、腕を組んで偉そうに立っているのは、鈴代なずなだった。

顔がひきつっていて、おもいっきり不機嫌…。



「…あぁ?何とか言えよ!このペテン師!」



そう言い放って、鈴代なずなは兄貴の背中をおもいっきりドカッ!と踏んづけた。



…踏んづけた?!



え…え?何?

どんな状況?



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