俺のボディガードは陰陽師。
うめき声をあげながら、横たわっている兄貴。
モゾモゾ動いて踞っている。頭や腹を庇いながら。
そして、今。鈴代なずな、兄貴の背中を踏んづけた。
これって…。
「イケメンはお顔が命だからな?!顔じゃなくボディにしてやったぞ!有り難く思え!」
やはり…!
そこで、俺は先日の瞳真くんの話していたことを思い出してしまった。
《なずぽよにボコボコにされて動けなくなってたら…》
…あの話は、本当なのか?!
女が男をボッコボコ?!
あの時は、んなわけあるか!なんて思っていたけど。
目の前のこの状況を目の当たりにすると、そうも言ってられない。
マジか…!
…い、いや。そうだよな。
あんなバケモノと相対することが出来るんだ。
男をボッコボコに出来てもおかしくはない…!
その光景を見ながら呆然とその場に立ち尽くしていた。
すると、不意に鈴代なずなと目が合う。
俺の姿を見るなり、ヤツは顔色を変えた。
「…伶士?!どうした!今度こそ何かあったのか?!」
さっきのと同じくだり?
天丼かって。