俺のボディガードは陰陽師。
鈴代なずながしずしずと申し訳なさそうに、俺の様子を伺ってくる。
「…だから。お坊っちゃまはやめろ」
「あ、ああぁぁ…じゃあ、れ、伶士さま?」
「様付けもいらねえ。何だよ」
えへへ…と、作った笑顔を見せている。
ひきつってるわ。
「あ、あのぅ…この事は…剣軌に言わないでぇっ!お願いぃっ!」
「え…」
「しゃちょーの息子ボッコボコにしたなんて知れたら、何言われるかわかんないぃっ!お願いいたします!お願いしますぅぅっ!」
「………」
お願いお願いと、ペコペコ頭を下げている…。
減俸を恐れているというか、菩提さん自身を恐れているというか…。
そうなると、彼はいったい何者?っていう話になるじゃねえか。
《…その程度の束縛、私だったら愛を感じるねぇ?》
まったく…。
「お願いぃっ!何でもしますから!使用人の分際で構いませんっ!だから…」
「わかった。もういいから部屋入れ」
「…え?いいの?」
逆にビックリされた。
頷くと、目を丸くしてきょとんとしている。