俺のボディガードは陰陽師。

イケメンなはずなのに、ゴリラ。



…え?

ニシローランドゴリラ?



しかし、相手は笑ってはいない。

むしろピリピリした空気を出している。



『橘くん、話あるんだけどいいか?』

『あ…はい』



…そうして、何も考えずにノコノコと着いていったのが運の尽き。

人気のない西校舎の廊下の突き当たりに連れて行かれる。

本当に、人がたまにしか通らない静かな場所だ。



そして、イケメンゴリラの林崎さんは話を始めた。

…と、いうよりも、質問。




『…君さ?富岡莉緒とどういう関係?』




は?

…と、思うと同時に、ギクッとさせられる。



その名前は知ってる。

三組の女バスの子。



どういう関係?と聞かれ、答えるならば。

体の関係を持ってしまった人…。



…夏休み前、学校祭の準備期間中。

次の日、朝練休みで学校も午後からということで、同じクラスの陣内の家に泊まりに行った。

夜、陣内の部屋で、未成年なので絶対ダメだが、二人で缶チューハイを飲んでちょっとした飲み会になっていたところ。

陣内が、同中の女子を家に呼んだ。



それが、その富岡さん。



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