俺のボディガードは陰陽師。
「お、おまえ!何でここに!」
「私は伶士の用心棒だ。伶士の身に危険が及べば登場するんだ!」
は?
俺の身に危険?
…この場面、悪霊に襲われてるワケでもなしに!
ゴリラに襲われかかってるけど。
おまえの登場する場面じゃない!
「お、おまえ…大丈夫だから行け。向こう行け」
こそこそと耳元で伝える。
この場面、なんとなくいてほしくない。
だが、この女が素直に言うことを聞くワケがない。
「…バカか!ここでこのゴリラにボカッと一発殴られたらどーすんの!お怪我でもしたら…剣軌に勘違いされて、私減俸されるでしょうが!」
「………」
自分のお給料のためですか…。
それで勘違いするほど菩提さんはバカじゃないと思うけど。
「な、なずなあぁーっ!なぜおまえがなぜこの面子の中に登場する?!」
ノリツッコミのようなリアクションを見せたのは、椎名先輩だった。
顔にガビーン!と書いてある。
そのくらい驚愕の一言を見せる表情だ。
そうツッコまれると、鈴代なずなも椎名先輩の存在に気付く。