俺のボディガードは陰陽師。
突然の遭遇に、ビクッと驚かされる。
傍を通りかかった瞬間、その男女と目が合ってしまった。
男の方にギロッと睨まれるが、すぐに逸らして何もなかったかのようにその場を通り過ぎる。
そして、また口論を再開させているようだ。
「前から言ってんだろ?俺の誘い断んの?!いつまでも焦らしてんじゃねえよ!」
「焦らす?あんたが勝手に焦らされてると勘違いしてんの!それに私、これから用事あるんだわ!相手してられっか!」
「はぁっ?!…んだとっ!」
あの二人は…男の方はちょっと悪っぽいと有名な二年生。
そして、女の方も…ちょっとした有名人だ。
巻き髪ウェーブの肩甲骨が隠れるくらいのロングヘアに、付けまつ毛バッチリの濃いギャルメイク。
左耳には、宝石のように輝く、かろうじて耳たぶに収まる大きめのピアス。
ブラウスのボタンを二つほどはずして、ネックレスを覗かせ。
スカートは超ミニ丈で細く長い足を見せて、制服をラフに着こなす。
一年六組の鈴代(すずしろ)なずな。
公立進学校に似つかわしくない、バリバリのギャル。
通称、なずぽよ。
…某ギャルタレントに、髪とメイクがそっくりだかららしい。