俺のボディガードは陰陽師。



混沌とした黒い海の中、そこにゆっくりと落ちて行くような感覚で。

でも、そんな中で一筋の神々しい光を見つける。

落ちて行きたくない。

そう思って、必死でその光に手を伸ばす。

でも、その光は手を掠めるのみで、掴むことが出来ない。

段々と焦燥にかられて、強く念じてしまう。



落ちて行きたくない。

ここから、這い上がりたい…。



すると、その光が輝き始める。



大丈夫だよ、もう。



その声を耳にすると、今まで掠めていた光に手が触れて。

しっかりと掴むことが出来たのだ。




…そんな、夢を見た。








(…ん…)



遮光カーテンの隙間から射し込む、細い日差しに気が付いて目が覚める。

もう朝だ。

いつの間に寝ていたんだろう。

今、何時…?



(……)



頭がボーッとする。

まだ眠い…。

なんか、すごいあったかいし。

いい匂いするし。

すごい柔らかくて気持ちいいし…。




その心地好さを味わっていたくて、まだ目を醒ましたくなくて。

柔らかい何かに顔を埋める。

むにっとした感触が気持ちいい。




(やわらか…気持ちいい…)



< 205 / 504 >

この作品をシェア

pagetop