俺のボディガードは陰陽師。
そして、この鈴代なずなの周りには、やはり男の噂が絶えない。
あぁいう現場はしょっちゅう見かける。
…って、今。
男に言い寄られて困っていたんだろうか?
おもいっきりスルーしてきてしまった。
男に絡まれている現場を見ないフリするなんて…俺も薄情だな。
でも、困ってる?…と、いう感じというか、ケンカというか。
男女の面倒ごとに首を突っ込んでもな。
…まあ、いいか。
そんなことを頭に巡らせながら、靴を履き替えた俺は職員室に向かう階段を上った。
階段上がったすぐそこにある職員室に礼をして入室すると、俺に気付いた先生が手招きをする。
「橘くん、またお父様からお電話…」
「………」
…やはり。
この部活という、着信にすぐに応じられない時間に、親父が学校に電話をかけるのは初めてじゃない。
はっきり言って。
とっても、お恥ずかしい。