俺のボディガードは陰陽師。


「それを少しずつ抑えて取り除いて、なおかつその結界とやらでお守りする…という作業を夜な夜な続けていたそうです」

「え…」

そんなことをしていたなんて…初めて聞いた。

知らなかった…。



「…でも、その作業は昨晩一区切りついたようで、今お休みになられてるようです。…伶士さま、体調どうですか?」

「体調?良いけど…」

「そうですか。それはよかった」



…だからなのか。

学校来ても、ずっと寝ていたのは。



俺のために。

俺を…守るために。



(ちっ…)



何だよ。

何なんだよ。



何も言わないで、隠れてそんなことしてるなんて。

俺のために、ほとんど寝てないなんて。

たとえ、金のためとはいえ。




何なんだよ。

このよく分からない、照れ臭い感じは。

同時に申し訳ない気持ちにもなるけど。



そんな俺。

カッコ悪く愚痴って泣いた挙げ句。

おっぱい枕…。



俺、最低…。



軽くずーんと落ち込む。

いや、軽くじゃない。

だいぶ、ずーんと落ち込む。



本っ当に、何なんだか。

掴み所の無い女。










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