俺のボディガードは陰陽師。

熱くも冷たくもなく

★★★







「お帰りなさいませ…伶士お坊っちゃま…」

「…だから、それはやめろってんだろが」




何だ何だ。

部活が終わって、颯太やチカとイオンでちょっとメシ食べて。

家に帰ってくるなり、じとっとしたこの空気。

ずーんと落ち込んでいる。

何だ何だ。



俺が家を出る時に、部屋で休んでいたはずのヤツは今。

ちゃんと着替えて、メイクもしていて。

我が家のリビングの陽当たりの良い隅っこで、背中を丸めて何やらせっせと作業をしている。

私服姿、初めて見た。

…だなんて思いながら、それとなく近付いて何をしているのか覗き込んでみるが。



(………)



え?



ヤツ、鈴代なずなの周辺には。

なぜか、段ボールが二つ。

その中には…なぜか、割り箸?



大量の割り箸と、その袋。

『おてもと』と書いた細長い袋。



それをせっせと袋詰めしている。


え…内職?!


人んちのリビングの隅で、内職?!

そんなに金に困ってんの?!


< 213 / 504 >

この作品をシェア

pagetop