俺のボディガードは陰陽師。


「伶士さま、なずなさんは悲しみの最中にあります。お優しくしてあげて下さい」

「………」


悲しみの最中って…。

減俸とカード払いの悲しみか?

それに、お優しくって何だ。

まるで俺が冷酷非道な人間のような言い方してくれちゃって。



まあ…。

あの部屋着姿を怒られたのは、当然ではあるとは思うけど…。



でも、昨晩のバケモノ出現の件は。

アイツが駆け付けてくれたおかげで、何だかんだ俺の身は助かってるんだ。

その陰陽師の言う経過どうこうはよくわからないが。

でもそれを、俺を助けるまでの過程のことを怒られるのは…。



何だか、可哀想かな…とも思う。



《…何かあったら、すぐ駆け付ける》



それに、俺を守るために夜な夜な作業(夜なべ?)していたんだろ?

学校であんなに爆睡するぐらい、ろくに寝てやしなかったんだろ?



一生懸命やってくれて…。



(………)



…いや。

いやいやいや。

ヤツは仕事でやってるんだ。

プロなんだ。



俺のために…とか、そう勘違いしてはいけない。

イタイ奴だぞ、俺。



お優しく、はしますから。




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